ワインの力で繋ぎ、導く
生産者のストーリーと
東北の新たな魅力。
代表取締役 毛利 親房 さん
ワイナリー設立のきっかけは「東日本大震災からの復興」でした。設計事務所に勤めていた頃、女川の温泉施設を担当したことがあり、女川は思い入れのある町でした。しかし震災で壊滅状態になったのを見て「これはなんとかしないといけない」と強く思ったのです。それから復興会議に顔を出し、漁師や農家など多くの方々と意見を交わしました。その中で思いついたのがワイナリーの設立です。東北が誇るすばらしい食材を、ワインとのマリアージュで広めようと考えたのです。震災で宮城のワイナリーが途絶えてしまったことも後押しとなりました。そのことを牡蠣漁師の方と話したところ「養殖棚にワインを沈めて熟成させよう」など話が盛り上がり、「今日は久しぶりにワクワクしたよ」と言っていただきました。ワイナリー設立までにさまざまな苦難もありましたが、多くの方に励まされてオープンに至りました。現在はブドウの栽培やワインの製造・販売のほかに、ワインの担い手を育成する「宮城ワインアカデミー」を開催しています。多くの人と出会えるので、人としての成長や大切な人脈を得られると思います。
また「テロワージュ東北」という新しいプロジェクトも始まっています。「テロワージュ」とは気候風土や人の営みを意味する「テロワール」と食とお酒のペアリング「マリアージュ」をかけた造語。生産者の思いを聞きながら調達した食材をそのままお店で調理して味わうような、東北の食をより深く体験してもらうツアーを考えています。そのため東北の観光情報を集約した web サイトの立ち上げや、人工知能によるコンシェルジュの開発も進んでいます。このプロジェクトは ALL 東北で力を合わせてのぞむプロジェクトだと考えています。東北の魅力を全国に発信して、多くの人に来てもらい、東北を元気にしたいですね。

自社畑で栽培されたぶどう。

自慢のワイナリーで生産したワイン。