地道な改善こそが
究極の食中酒をつくる
ただ一つの道。
代表取締役 新澤 巖夫さん
当社は1873(明治6)年、現在の大崎市三本木町で創業した酒蔵です。2011年の東日本大震災で蔵が全壊し、その年の11月に製造拠点を川崎町へと移しました。蔵を建て直すことも検討しましたが、いつまたやってくるかわからない震災のリスクや、毎年2,000万円近くかかる修繕費を考えると、ベストな選択肢ではない。よりおいしい酒を、より多くの方にお届けするためには場所を変えてでも、品質向上に注力していくべきだと考えたんです。
そこからは、酒づくりの工程を一つひとつ見直し改善を進めてきました。例えば蒸かした米を釜から取り出す作業。男性2 ~ 3名でやっても40分近くかかる作業で、取り出し切る頃には底の方の米はべちゃべちゃになってしまい、品質劣化の原因になります。機械を導入し10秒ですべて取り出せるようにし、作業コストの削減と品質向上を同時に実現しました。他にも、送風ホースで米をタンクに送ったり、タンクのある部屋を一定の低い温度に保ったりと、さまざまな改善を行いました。必要に応じて機械化もしていて、見た目には「工場」のようですが、同業者の方々から年間500件も見学の依頼があったり、コンテストでのランキングも着実に上がってきていたり、この選択が間違っていなかったと確信しています。また、お客さまのお口に入るときに味のピークを持っていけるよう、出荷後3ヶ月経過した商品は回収するなど、流通過程においても徹底した品質管理を心がけています。
古くからの定番である「愛宕の松」、究極の食中酒を目指し2003年よりつくり続けている「伯楽星」を柱に、より多くの方においしいお酒を届けるべく、社員一丸となって品質向上に取り組み続けています。

全国最年少の女性杜氏。

2大ブランドの伯楽星と愛宕の松。