働きやすい新しい雇用スタイルで、
美容師もお客様も笑顔に。
代表取締役 早瀬 渉さん
大手美容チェーンの役員をやっている時に東日本大震災が起こり、被災地で多くの美容師が仕事を失っている現状を知りました。そこで、被災者自身が自立し、生活再建していくことが必要と考え、「被災地に 働く美容室を!復興支援プロジェクト」を立ち上げました。まず最大被災地である石巻市に美容室をつくり、そこから、地方の課題でもあった「雇用の創出」や「地方経済の低迷」「若者の流出による過疎化」などを解決するきっかけづくりに取り組みました。
カギは人材です。特に美容業界の場合、美容師の確保が売り上げを左右し、人材不足で経営に行きづまるケースが多くみられます。そこで、結婚や出産等でリタイヤした「休眠美容師」を再活用するビジネスモデルをつくりました。土・日曜は休みたい、子供との時間を大切にしたい、介護の時間が必要、収入は得たいなど、それぞれの要望や生活スタイルにあわせて働き方が選べるシステムです。もちろん、働く環境も整えています。保育士が常駐する無料キッズルームを設け、育児との両立を可能にしました。また、勉強会やミーティングなどを無くし、余裕をもって働ける状況をつくりだしています。店長をおかずみんなが同じ立場で仕事ができるようにもしました。
お客さまは40歳~ 50歳代以上の女性が中心です。みなさん最先端のヘアスタイル以上に、安心できる美容師を求めています。働きやすい環境は働く人にゆとりを生み、お客様とのふれあいを楽しくしてくれています。当社の働き方が評価され復興庁「企業による復興事業事例顕彰企業」など数々の賞を受賞し、現在20店舗、150名の雇用を実現するまでになりました。今後はこの働き方を充実させながら、訪問美容など地域生活に貢献できる事業を行い、美容師、お客さまのどちらも安心、豊かに暮らせる社会づくりに寄与してまいります。

