土づくりと栽培管理から生まれる、
高品質な農産物で日本の食卓を支える、
涌谷発のネギの匠。
代表取締役 氏家 靖裕さん
弊社で現在生産している農産物は小ねぎ、みず菜、青ねぎ、そして米です。何故ネギなのかというと、昔はホウレン草の栽培の方が盛んだったんですが、ホウレン草は連作障害を起こすので、次第に生産量が落ちまして。それで代替えの作物を探していたらネギに行き着いたんです。ネギは連作障害を起こし難く、冬場の寒さにも強いですからね。こうして昭和62年(1987年)頃、小ねぎの生産がこの一帯に定着しました。ウチは8代続く農家で、小ねぎ生産の定着に一役買ったのが私の父だったんです。そのような流れで平成18年(2006年)に個人経営を法人化し、計画的な設備投資を行い、ハウスでの小ねぎ等の栽培体制を整えました。現在はハウス56棟で、小ねぎだと1年間90トンを生産しています。
生産体制が上手く稼働してくると、今度は自分たちが育てた農作物が出荷先でどう扱われているのかが気になってくるんですね(笑)。この小ねぎやみず菜たちは誰にどのように調理されて、どのような人が食べるのか。そこで平成22年(2010年)に地元の農協部会を抜け、自社で販路を開拓するようになりました。これにはとても苦労しましたが、実際に消費者の声が直接聞けるようになったので、とてもよかったと思っています。私たちの仕事の励みにもなりますしね。
弊社の卸先は、飲食店やホテル、直売所、加工業者などで、加工業者経由では有名うどんチェーン店などにも納品されています。宮城県内分は自社物流で動かしていて、朝採りを夕方までにお届けしますから鮮度は抜群ですし、何より食感が違うんですよ。それと、従来の東北の食文化だとネギは白いもので、青いネギは馴染みがなかったんです。でも西日本の食べ物も東北で浸透してきて、うどんにトッピングされている青ねぎなど好い例ですよね。こうした食文化の変化も、弊社には追い風になっていると思います。
今後の展開としては、小ねぎは年に3回獲れるんですが、10〜3月の寒い時期はどうしても生産量が落ちるので、これをいかに底上げするかが問題で、という事は今後の展開は課題の解決になりますね(笑)。

美味しいねぎを食卓に届けるため、
日々の状況確認には余念がありません。

小ねぎのきれいな根っこ。
宮城県内の色々なところに流通しています。